2005.8.26.(8.27.に加筆)   台風はそれて晴れるみたい@0:30   カワセミ王国 ポイント:D0087point)


  

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【バードストライク】

 まえまえから気になっていたことがあります。野鳥の標識調査とは直接関係ないのですが、ちょっと書いてみたいと思います。伊良湖岬の鷹の渡りは有名ですよね。渥美半島先端から志摩半島へ向けて、つまり東から西へサシバやハチクマが次々に渡っていく秋の風物詩です。ワタシも毎年見に行くのですが、恋路が浜から見上げるとサシバの鷹柱のはるか上空の青空を飛行機雲が。この飛行機雲、名古屋空港へ着陸する旅客機のものです。一瞬、「をいをい!サシバとぶつかったりしないの?」という思考が頭をよぎりましたけど、「高度差がありすぎるじゃん」って気付いて一人で笑っていました。

 ところが、です。中部国際空港セントレアが知多半島常滑沖に開港しました。つまり伊良湖水道上空を南から進入する旅客機の着陸目標は、小牧市の名古屋空港からセントレアへと、南へ数十km移動したことになります。それにあわせて、旅客機の伊良湖水道上の飛行高度も下がります。で、ネットで調べていてレーダーを使った調査を見つけました。サシバの飛行軌跡と飛行高度が載っています。で、そのデータの図を眺めていて「あ〜!!」なのですよ。そう、知多半島からの渡りルートがあることを忘れていたのです、ワタシ。伊良湖水道を通過する、いわゆる太平洋ルートを通るサシバに比べれば数はずっと少ないですが、多い日には300近いサシバが知多半島冨具崎から伊勢湾を経て志摩半島方面へ渡っていきます2002年データ2003年データ、2004年は観測ポイントに工事が入ってデータ不十分?)。上図2をみてもその軌跡がたくさん出ていますね。で、サシバの飛行高度も出ていまして、50〜400mの範囲・最も多いのが250〜300mだそうです。

 一方、セントレアへの旅客機の進入高度はどうでしょうか?教えていただいた国土交通省のページによれば、上図右のようになっています。知多半島先端ちかくで高度3000フィート,つまり約900mとなっているのです。このポイントからセントレア着陸へ向けて高度を下げていくのですから、冨具崎沖ではどれくらいの高度になっているのでしょうか?単純に見積もると400〜500m前後だと思うのですが、はっきりしません。

 上の2つを重ねてみるとこうなります。水平方向の飛行ルートは完全に交差していることが分かります。

もちろんこれだけの数のサシバの群に旅客機が突っ込んでいくわけではありません。が、あとは確率論の問題でありまして、この先何年,何十年の間には何かが起こることも十分考えられるのではないでしょうか。もういちど高度を比べます。

サシバの高度:50〜400mの範囲・最も多いのが250〜300m
旅客機の高度:400〜500m前後?

これなら高度差があって大丈夫かな。いえいえ、ちょっとまって下さい。レーダー観測(レーザー測遠機)の高度はどのポイントでの高度なのでしょうか。サシバは陸地での上昇気流をとらえて高度をとりますから、海に出たポイントが最高高度だと思われます。つまり航空路が冨具崎をかすめるあたりで最高高度をとっているわけです。そこから滑空して徐々に高度は落ちていきますから。一方、グラフにのってる高度が、サシバが陸地からもっと離れたポイントのものだとしたら…(「目視観察で把握できない範囲で」って書いてあるし)

 バードストライクについては、ここに詳しい説明があります。いわゆるクリティカル11ミニッツに、サシバ・ハチクマクラスの中型・大型の鳥が衝突すると冗談じゃない事態になるんじゃないでしょうか。もちろん何も起こらないことを願っておりますが。

ハチクマ(翼開長121〜135cm)

サシバ(翼開長103〜115cm)

 で、最後に。公共工事のアセスメントって、我々からは見えない部分が多いですよね。内部でどんなやりとりがされているか分からないのですが、調査を依頼する側とされる側がナアナアになって、客観的にcheckする機関も機能してないんじゃ。。。確か鳥関係の研究者や学者先生方も関わっているんじゃ。。。

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前々からバンディングについて思うところがあったのですが。

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